偶然と言ってしまえば、そうかもしれませんが・・
何か、ご縁というか、心を打つ一件があったので
ここに、こっそり、書いておこうと思います。
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ひと月ほど前。ちょうど、私の誕生日の翌日、母から
「最近、白ネコちゃん見た?」と、唐突に聞かれました。
聞けば、その日の朝、うちの家と道路の堺に、白ネコちゃんの亡骸が
あったそう。遺体をみた、両親の話だと、たぶん、自動車だろう、と。
その白ネコちゃんは、実は、るっちゃんの「心の恋人」でした。
るっちゃんを、窓越しにながめ、真っ赤なベロを、ちらっと出し
まさしく「食べちゃいたい」って優雅に、ほほ笑むのです。
普通、食べられてしまっては困るので、逃げたり、隠れたりすると
思うのですが、るっちゃんは、その「食べちゃいたい」の意味が
わかってなかったらしく、まるで、一目ぼれのように、大喜び。
窓にへばりついて、ぎゃっ!って、大興奮してたことを思い出します。
まあ、ルチの人生(鳥生)に、食べる、食べられる、という関係は
皆無だったので、危機管理がなってなくても、仕方ないかもですが
それにしても、白ネコちゃんに恋するなんて、ねえ(-_-;)
と、家族中から、反対されていた、そんな関係でした。
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ルチに、何かあってはいけないと、ノートに、うちにくるネコちゃん
たちの模様と、相関関係をメモして、取締りをしていた、父でしたが
(↑も、はたからみたら、おかしいでしょ?父は真剣でしたよ。笑)
確かに、ルチの恋した、白ネコちゃんは、他のネコちゃんとは何か
大きく違うネコでした。ずっと前、母の実家にいた、じゅんちゃんと
似てるような、そういうネコらしからぬ面もあるようだったし・・・
(じゅんちゃんは、祖母の看護ができる、優秀なにゃンコでした)
何とも言えない、優雅な雰囲気や、たたずまいがあって・・・
父ですら「あの娘に恋するまでは、しかたない」とまで言うくらい。
ルチとの、純愛は、たぶん、数年以上続いていたと思います。
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で、時は流れ、ルチが亡くなってからというのもの、ぱったり
我が家に姿をみせなくなりました。どうも、毛並みから、白ネコ
ちゃんの娘っぽい、子猫をみることはありましたが・・・
本人=白ネコちゃん、を、見ることはなく、どうしたのかな?
やっぱり、るっちゃんに会いに来てたのかな?などと、家族で
話をしていたんですが・・・
私は、今年の夏の終わりに、一度だけ、会うことができました。
その会った、数日前に、母から・・・
「白ネコちゃんを数年ぶりにみたんだけど・・
あんなにやせてしまって。もう、長くないかもね」
と聞いていたので、一目見て、すぐ、あの白ネコちゃんだと
分かりました。白ネコちゃんも私に覚えがあったのか・・・
じーっと数分もみつめたまま、何か話したそうな、そんな感じで
でも、立ってるのもやっとな、白ネコちゃんは、そのうち、
よろよろと、歩いて去っていってしまいました。
できれば、なでなでしたかったし、もっと、
みつめていたかったのだけど・・
何か、そういう理屈ではないような、気配がありました。
私は、何のお世話もできてないんだけど、わざわざ
挨拶に来てくれたような、そんな雰囲気で・・・
みただけで、涙がどっとあふれてきました。
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それから、一ヶ月ちょっとすぎた、10月中旬。
冒頭の話に至るわけです。
なんとなくですが・・・
我が家のニャンコになりたかったんだろうな、と思う
ような倒れ方で、なくなっていたのにも涙でしたし
でも、そこは一線をひいて、というか、野良猫ちゃんたちの
美学とか、生き方とかがあって、完全に敷地には入りきれない
本当に境界線ギリギリに、倒れていた話を聞いて・・・
何ともいえない気持ちになりました。
種が違うけど、天国で、ルチと仲良くしてあげてね。
と、手をあわせた、私だったのでした。